コールセンター 電話応対講座 AtoZ_11

コールセンターで重要な傾聴のスキル

第11回目は、コールセンターのコミュニケーションにおいて重要な傾聴のスキルについてについて考えてみたいと思います。

コールセンターにおける「傾聴」とは、お客さまが話される言葉をただ聞くだけでなく、その言葉の背後にある感情やニーズを理解し、共感を示すことを指します。この技術は、お客さまからの情報を正確に受け取り、それに基づいて適切な対応を行うために不可欠です。

お客さまが話されている内容をじっくり聞くことにより、その人の本当の悩みやニーズを理解する手掛かりを得ることができます。例えば、お客さまが具体的な事例や感じている感情を話されている場合、それに対する適切な反応や解決策を考えるための重要な情報となります。このプロセスは、単に情報を収集するだけでなく、お客さまが抱える問題に対して真に共感し、適切な解決策を提案する上での基盤となります。

このように、 傾聴の重要性は、顧客サービスの質を向上させる点にあります。お客さまが自分の話を真摯に受け止められていると感じると、満足度が高まり、信頼関係が築かれやすくなります。これらにより、既存顧客の継続性を高めたり、新規顧客の獲得にも繋がり、ビジネスの成功を支える要素となります。

それでは、傾聴の具体的な実践ポイントをを整理してみましょう。

実践ポイント!  

ポイント① 話を最後までしっかりと聞く

傾聴の最も基本的な方法は、お客さまが話されている間はしっかりと耳を傾け、決して話を遮らないことです。これにより、お客さまに「自分の話を最後まで聞いてもらえている」という安心感を提供します。話を遮るという行為は、相手の話に興味がない、あるいはその内容が重要でないという印象を与えかねません。したがって、お客さまが話し終えるまで静かに聞くことで、その人を尊重していることを示し、信頼関係を築く第一歩となります。

ポイント② バリエーションのある「あいづち」を

あいづちにはいくつかの種類がありますが、同じあいづちを何度も繰り返し使うのでは返事が単調になり冷たい印象を受けます。「はい」、「さようでございますか」、「そうでしたか」、「ええ」、「そうですね」など、色々なあいづちをバランスよく使いましょう。

「はい」のようにひらがな2文字の短いあいづちであっても、抑揚のつけ方によって意味が大きく変わってきます。豊かな表現で言うことにより、バリエーションが増えてきます。

ポイント③ オウム返しや言い換えは「傾聴」の基本テクニック

オウム返しや言い換えは、「お客さまのお話をお聴きしていますよ」と伝えるのに有効なスキルです。オウム返しは言葉そのものを繰り返す方法で、言い換えはお客さまの言った言葉を自分なりに解釈し、言葉を変えて伝えるスキルです。

 お客さま「グレープフルーツとみかんが好きなんです」
  →オウム返し「グレープフルーツとみかんがお好きなんですね!」
  →言い換え「柑橘系のフルーツがお好きなんですね!」

ポイント④ 「共感」を示す

会話の中で、お客様は電話の用件だけでなく自分の心情や状況について話をされる場合があります。このとき、お客様の気持ちを察し「私はお客さまのお気持ちをきちんと理解していますよ!」ということを表現することが大切です。

会話を先に進めず、一旦は立ち止まって、お客さまの心情に対しての同調や共感を丁寧に示すことが大切です。はっきり言葉や表現には出てこないけれど、お客さまが私たちに伝えたいことの存在を意識し、しっかりと向き合うことが大切です。

具体的な言葉では、「そうですよね、わかります」、「そうでしたか」、「そうだったんですね」、「おっしゃるとおりです」、「それは○○(ご心配/大変/よかった)ですね orでしたね」、などがあります。

いかがでしょうか。この機会に、ぜひ傾聴のスキルを振り返ってみられるのはどうでしょうか。より高いお客さま満足を得られるためのヒントになれば幸いです。

株式会社 booster 石橋由佳

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