コールセンター 電話応対講座 AtoZ_08

抑揚の重要性

コールセンターのお客さま応対においては、言葉選びはもちろんのこと、話し方や声の抑揚が非常に重要な役割を果たします。第8回目は、抑揚の重要性とその効果的な使い方について、考えてみましょう。

抑揚とは、声の高低や強弱を変えることで、話の内容をより明瞭に、また感情豊かに伝える技術です。電話応対では、相手の顔が見えないため、声のトーンや抑揚が相手に与える印象が非常に大きくなります。抑揚を上手く使うことで、以下のような効果が期待できます。

◉明瞭性の向上
抑揚をつけることで、言葉が聞き取りやすくなり、話の内容が伝わりやすくなります。特に、重要なポイントでは声を強調することで、聞き手の注意を引きつけ、理解を深めることができます。

◉ 感情の伝達
声のトーンや抑揚によって、喜び、驚き、同情など、様々な感情を表現することが可能です。これにより、お客さまとのコミュニケーションがより人間的で温かみのあるものになります。

◉ 関係性の構築
抑揚を用いることで、話し手の人柄や態度が伝わりやすくなり、お客さまとの信頼関係や親密さを築くことに繋がります。

実践ポイント!  

電話応対と対面のコミュニケーションでは、表情の伝わりやすさが大きく異なります。一言でいうと、電話応対の場合は顔や身の動きといった視覚情報が一切ないため、単調に聞こえ、時に事務的な印象になりがちです。そのため、私たちが電話応対の研修をする際は、『1/2の法則』として、自分が思っているよりも表情が半減してしまうため、ややオーバーに話すことをお伝えしています。

ポイント① 演じる気持ちでオーバーさを意識して

コールセンターでも身振り手振りなど体を使って話す担当者は、お客さまの心をつかむことができています。目の前にお客さまがいるようなイメージで語りかけると、応対に表情をつけることができます。普段よりも目安1.5倍ほどのオーバーさで話をするとよいでしょう。

ポイント② 感情を伝えるべき部分は、「ゆっくり」と「抑揚」を

会話全体を通して表情豊かに話する必要はありません。事務的なやりとりの場面では聞き取りやすさを重視して話をするのがよいでしょう。意識をしたいのは、謝辞や感情的なやりとりがある場面、クッションフレーズなどです。これらを表情豊かに話すことで会話の質がぐっと上がります。一方で、そういった言葉を淡々と単調に話してしまうと、かえって杓子定規に聞こえてしまうこともあるため、特に意識したいところです。

ポイント③ あいづちは表情豊かに

たとえば、「はい」といった短いあいづちでも、抑揚をつけることにより、意味を持って使い分けることができます。「さようでございますか」も同様です。 傾聴にはあいづちの打ち方が重要になってきます。お客さまのお話をしっかりと受け止めていることを示すためにも、表情豊かなあいづちを有効に使いましょう。

最近のコールセンターは対応範囲の広がりから、初期研修は知識面の学習中心となりがちです。センターによっては、会話の技術を教わらないまま応対を始めるケースも少なくありません。ただ、話し方ひとつでお客さまの満足度が大きく違ってくることを考えると、抑揚含めて、会話に必要な技術を丁寧に教えてあげたいものです。いかがでしょうか、今後の上質な電話応対のヒントになれば幸いです。

株式会社 booster 石橋由佳

サービスのご紹介

boosterのコールセンター向け研修は、オリジナルのテキストやロールプレイングを取り入れ、楽しみながらアタマとカラダで吸収することができるカリキュラムです。研修を検討した背景に着目し、明確なゴールを見据えた学習をご提案します。

boosterのコールセンター向け研修は、オリジナルのテキストやロールプレイングを取り入れ、楽しみながらアタマとカラダで吸収することができるカリキュラムです。研修を検討した背景に着目し、明確なゴールを見据えた学習をご提案します。