コールセンターの品質評価「モニタリングとミステリーコールの違い」

当社では、コールセンターの品質評価の依頼をいただくことが多くあります。

このとき、大きく分けると、モニタリングとミステリーコールの二つの手法があります。

モニタリングとミステリーコールは、お客さまとコミュニケーターの会話を聞いて評価する、という流れ自体はまったく同じなのですが、その違いがいまひとつわかりにくいようです。

そこで、両者の違いと使い分けの方法をご説明したいと思います。

まず、モニタリングとミステリーコールは、いずれも、現在の応対がどのレベルにあるかを評価するもので、ミステリーコールは、業界内の競合他社と比較してどのレベルにあるかを把握することに重点が置かれます。

また、両者の違いとして、モニタリングは、基本的に「企業視点」(その企業として理想とするコールかどうか)がベースになります。

私たちがモニタリング調査を承る場合、センターで掲げるスローガンやモットーなどがあれば、それらを前提として、

「お客さまの満足を重視する」、
「数字(売上)をあげることを重視する」、
「コールを効率的に処理することを重視する」などの基本的な方針を確認します。

そのうえで、企業としてコミュニケーターに習得して欲しいこと、実施して欲しいことを項目化して評価基準に盛り込みます。

たとえば、既存のお客さまへ対応するセンターでは、

「ひとりひとりに合った対応を実施する」という方針であれば、

「これまでのお取引き履歴を踏まえた対応をする」

「お客さまに積極的に質問をする」などの項目を設定することも可能です。

また、モニタリングシートは結果をフィードバックすることでコミュニケーターの教育に活用することも可能ですから、その時点で達成できていなくても、今後習得してほしいスキルをモニタリングシートに盛り込んでもよいでしょう

これに対して、ミステリーコールは、純粋に「顧客視点」(お客さまからみて望ましい応対かどうか)がベースになります。一般のお客さまにとっては、それぞれの企業が「何を重視するか」は関係ありませんから、原則的に特定の企業が強化したいスキルや実施上のルールなどは評価基準には含まれません。

あくまで、お客さまからみて、その応対がどうか、満足度はどうか、どの企業の対応が優れているかを評価し、ランキングします。

もうひとつ、モニタリングとミステリーコールの大きな違いがあります。

モニタリングは、実際のお客さまとの会話を評価するため、評価の結果が問合せ内容やお客さまとの相性などの影響を受けるという点です。

モニタリングではコールリーズン等で、なるべく同じ条件のコールを抽出するため、1本1本がまったく異なるということはありませんが、お客さまの性格や状態(たとえば優しい印象、冷たい印象のお客さまかどうかなど)によって応対内容が微妙に異なり、評価にも影響してきます。

もちろん、モニタリング評価を実施する場合、あまり特異なコールをサンプルとして用いることはしませんが、それでも、単純に比較できないケースがあることも事実です。

その点、ミステリーコールは、シナリオを設定し、専門の調査員がお客さま役になって調査を行いますから、コミュニケーターの応対以外の条件は揃っているため、定点観測にも適しています。

自社だけでなく、他社についても同じことが言えますから、競合他社の対応がどのように変わってきているかを把握することも可能です。

このように、一口に品質評価といっても、モニタリングとミステリーコールでは、評価の目的や評価の視点、活用の方法などが異なります。

それぞれの特色を把握したうえで、どちらを実施するのが自社コールセンターや電話応対のチェックに良いのか、じっくり考えることをおススメします。

参考になりましたか。

コールセンター・チーフコンサルタント 石橋由佳

サービスのご紹介

コールセンターの応対品質向上のためには、第三者の視点で品質レベルを把握することが大切です。弊社では、事前に設計した綿密な調査計画に基づいたモニタリング調査を実施します。

覆面調査により応対品質を把握します。自社のセンター調査だけではなく、同業他社との比較をすることで、業界全体の動向も把握することが可能です。