コールセンターにおけるモニタリングと第三者評価
多くのセンターではモニタリングを実施しています。それに加えて、第三者評価を導入しているセンターも少なくありません。しかしながら、モニタリングと第三者評価をどのように位置付けるかが明確でないケースもあります。本稿では、両者の違いや役割を整理しながら、どのように使い分けるべきかについて解説します。
社内モニタリングと第三者評価で結果が異なる理由
弊社では、第三者評価として品質評価の依頼をいただくケースが多くあります。「社内で実施しているモニタリング結果の検証」「KPIの指標として活用したい」「モニタリング結果を人事評価に使いたい」など、導入の背景はさまざまです。
実際に品質評価を実施すると、社内モニタリングと第三者評価の結果に一定の差が見られるケースは少なくありません。評価そのものに差異が見られたり、経年変化の傾向に違いがあったりといった具合です。
差異が発生する主な要因としては、①評価項目に違いがある(どちらかに設定されていない項目がある、あるいは項目はよく似ていても評価基準やウエイト付けに差異がある)②評価する視点が異なっているという二点が挙げられます。
このうち、②において、第三者評価がセンターの事情とは一定の距離を置いたお客さま視点での評価になるのに対し、社内モニタリングにおいては、日常的な運営やセンター方針を踏まえて評価が行われるため、お客さま視点での評価を重視しつつも、結果としてセンター独自の基準や考え方が反映されやすい側面があります。

このように、調査結果に差が生じること自体は不自然ではありません。重要なのは、両者の目的の違いを理解したうえで結果を受け止め、活かしていくことです。
第三者評価の結果を活かすには
モニタリングは、フィードバックとセットでコミュニケーター育成に用いられるほかに、品質管理や応対傾向の把握などにも活用されています。この点では第三者評価と近い部分があります。ただし、第三者評価のメリットは、センター独自の基準や常識を客観視できる点にあります。日常的にモニタリングを実施していると、運営上の事情やセンター内の慣習が前提となり、「センター内では問題ない」とされていることに疑問を持ちにくくなることがあります。気づいたら、「センター内では良い応対と自信を持っていたのに、いつの間にかお客さまから見たら不満の残る応対になっていた」などということになりかねません。
第三者評価は、応対を外部視点で見直すことで、見落とされていた課題に気づくきっかけになります。たとえば、センター内で広く使われている説明内容がお客さまにとってはわかりづらい、あるいはセンター内では平均的な会話スピードでも、お客さまにとっては速く、内容が理解しづらいと感じられるケースなどは、意外によくあります。
また、モニタリングにおいても、一つ一つの項目を評価基準(=何がどこまでできていたら良しとするか、何をしたら減点とするか)に基づいて評価を実施するのが大原則ですが、現場を担当するスーパーバイザーなどが評価をする場合は、どうしても個々の担当者の顔が浮かぶものです。そのため、「前よりもよくなったので評価を上げる」「他の人よりはいいので高い評価をつける」など、のブレが生じることも少なくありません。

なお、第三者評価は予算や調査設計の制約から、効率的に結果を得るためにサンプル数が限られているケースがほとんどです。そのため、センター全体の傾向把握には適していますが、個々のコミュニケーターの技量の評価やスキルの経年変化の捕捉に用いる場合は、応対時期やコールリーズンなどサンプルの選定に細心の注意が必要であり、モニタリングなどほかの指標と併せて用いるのが良いでしょう。
第三者評価において確認するポイント
第三者評価では、主に以下の2点を確認すると良いでしょう。
- 現在の品質レベルの客観的位置づけ
第三者視点で見た場合、自社の応対品質がどの水準にあるのかを把握します。
業界比較が可能な調査であれば、自社の立ち位置を確認することもできます。社内モニタリングで目標を達成していても、第三者評価が全体として低い場合は、評価基準や目標設定そのものを見直す必要があるかもしれません。また、定期的に実施することで、自社の品質レベルの推移や、業界内での位置づけの変化を確認することも可能です。 - 具体的な改善課題の有無と内容
第三者評価では、社内モニタリングでは評価対象となっていない視点が含まれる場合もあるので、社内では気づきにくかった課題が見えてくる場合があります。たとえば、話し方に関する評価において、「聞き取りやすさ」や「滑舌の良さ」だけが重視されていると、いつの間にかアナウンサーのようなきれいだけどどことなく近寄りがたいようなトーンになってしまうことがあります。これに「明るさ」や「信頼感」などが加わっていれば、アウトプットとしての話し方の印象はかなり違ってきます。センター内の評価では良かった部分でも、修正すべき課題がないか、細かな視点で見てゆくと良いでしょう。
モニタリングと第三者評価の役割と使い分け
モニタリングと第三者評価は、必ずしも同じ基準や視点で応対を評価するものではありません。しかし、その違いがあるからこそ、センター内だけでは気づきにくい課題や、お客さま視点との微妙なズレを確認することができます。日常的な育成や品質改善にはモニタリングを活用しつつ、定期的に第三者評価を活用することで、センター全体の方向性や応対品質を客観的に見直し、より高い応対品質を実現することができると言えます。
定期的な活用まではハードルが高くても、「社内モニタリングでは高い評価だけど、本当に品質は高いの?」「競合他社がどんな応対なのか、気になる」「自社の評価を客観的に評価して欲しい」-そんな時は、第三者評価を導入してみると良いでしょう。
サービスのご紹介
boosterでは、コールセンターに求められていることは何か?に着目し、センターの「あるべき姿」に向けて、応対品質の改善をお手伝いします。

