コールセンターにおける次年度計画の立案とは

1.コールセンターにおける次年度計画

多くの企業では翌年度に向けて、その数ヶ月前から具体的な施策を検討するのではないでしょうか。

コールセンターも例外ではありません。

次年度計画は、現状の課題の洗い出しや目標の設定から始まり、その目標達成にむけた実施計画とそれらに必要な費用を算出します。

その後、社内手続きを経て予算を確保するといったプロセスがあります。

企業によっては翌年度の予算をある程度確保をしておき、新年度がスタートしてから具体的な実施プランを検討するところもありますが、いずれにせよ、非常に重要でパワーのかかる作業です。

このコラムをお読みくださっている人のなかには、同様の作業に携わっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

弊社ではコンサルティング業務のなかで、クライアント様の年度計画策定のお手伝いをすることもありますが、それは責任が重いうえ、目標達成への推進プランにはいくつもの可能性があり、何をどう実施するかを決めることは大変難しいと感じています。

今回はそれらの業務を通じた気づきをまとめてみたいと思います。

コールセンターはそのほとんどが派遣社員や時間給での雇用であることが多いうえに、業務そのものをテレマーケティング会社に業務委託をしているケースも少なくないため、一般的な組織マネジメントとはまた違った難しさがあります。

そのような中で、私たちが最も重要視しているのが、「最終のゴール地点をどのように設定するか」という点です。

目標を次年度が終わるまでの一年後に設定してしまうと、目先にある課題を改善しようという方向性になりがちです。

コールセンターの場合は、オペレーションが常に稼働しており、センターによっては繁忙期もあるほか、複数の拠点を抱える大規模センターもあるため、業務に混乱を与えることなく目標達成をしようとすると、一年間ではできることが限られてきます。

2.中長期計画

多くの企業では翌年度に向けて、その数ヶ月前から具体的な施策を検討するのではないでしょうか

せっかくお金とパワーをかけて様々な施策を展開するわけですから、本質的かつ達成可能な目標を設定したいものです。

そうした考えのもと、弊社では三年間の中長期計画をご提案する場合もあります。あらかじめ一年ごとのゴールを設定し、着実に成長の階段をのぼっていくイメージです。

ここでひとつ、ある国内大手メーカー様の事例をご紹介しましょう。

こちらのクライアント様では、これまで品質向上にむけて年2回のモニタリング+フィードバックを行ってきたそうです。その延長で次年度は、より高い品質を追求するためにパートナーとなる会社を探していました。

弊社もご提案の機会を得て、初回の打ち合わせにて、品質向上にむけてのオリエンテーションをいただきました。

具体的な内容としてはモニタリングとフィードバックのアウトソースというシンプルなものでしたが、それらの業務は非常にコストがかかるため、ご提案にあたっては、より本質的な仕事にする必要があると考えました。

そのため、こちらからご提案したのは、以下の三か年計画でした(以下は実際のご提案資料をイメージ図として加工したものです)

このように、一年ごとに到達すべきゴールをはっきりとさせます。こうした場合、当然ながら初年度は最終目標にむけてスタートしたばかりなので、成果が見えづらいこともあります。

このクライアント様では、最初の年は「品質向上にむけての土台づくり」と設定をしました。

一年間の取り組み成果としては中途半端な状態に見えるかもしれませんが、富士登山で例えると、登山の準備をしっかり整えてから出発し、七合目あたりまで登った感じでしょうか。

たとえ八合目にすら到達していなくとも、最初に頂上まで登りきるための事前準備を丁寧に行っているので、この一年はとても大切な時間です。

3.歩みの速度

これまで携わったコールセンター改善業務を振り返ると、一年単位の計画を繰り返すよりも、たとえ歩みのスピードが緩やかであっても、数年単位の計画を立て、着実に階段を一段ずつ上る方が最終的には高い地点に到達できると確信しています。

さらに、その成功のポイントとなるのが、最初の一段目はなるべく低く設定することと考えています。

改善に関わった誰もが、自分の努力や工夫がたとえ小さな成果でも確かな変化として感じられ、それが成功体験となれば、二段目、三段目を推進する力となって、次の階段はやや高めであっても登ることができるのです。

逆を言えば、最初の年に高い目標を掲げてスタートダッシュで頑張りすぎてしまうと、現場からの不安や反発が出てしまい、そこで頓挫してしまうこともあります。

中長期の計画となると、少数の担当者だけで検討できる範囲を超えてしまうこともあります。

その会社におけるコールセンターの位置づけや役割、期待される成果を踏まえて計画を立てることも必要で、場合によっては関連部門なども巻き込む必要も出てくるかもしれません。

よく『準備8割、実行2割』ともいわれるように、しっかりと事前準備をしておき、あとはその計画に従って丁寧に実行をするイメージです。

4.次年度計画のこの時期に

いかがでしたでしょうか。

今後、年度計画策定を行う場合は、もう一度、コールセンターの現場を俯瞰的に眺め、「こんなセンターになれたらいいな」「会社からはこういうことを期待されているのだろうな」をイメージしながら検討をスタートしてみるのはどうでしょうか。

計画立案のひとつの方向性として参考にしていただけたら幸いです。

参考になりましたか。

コールセンター・チーフコンサルタント 石橋由佳

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